「房中術」の簡単な解説2:「男女和合の道」の4サイクル 〜 この世の混乱のほぼ全てが、間違った性行為(性生活)が原因

竹下雅敏氏からの情報です。
 アーユルヴェーダの解説の57回目です。“房中術(ぼうちゅうじゅつ)とは、中国古来の養生術の一種で、性生活における技法であり、男女和合の道である”という事でしたが、今回はより具体的に「男女和合の道」を見てみたいと思います。
 私は、はっきり言って、この世の混乱のほぼ全てが、間違った性行為(性生活)が原因だと思っています。この部分を正さないと、いくら政治や教育を変えても無意味だと思います。
 冒頭の記事をご覧になると、AV(アダルトビデオ)による「すぐに挿入して、激しくピストン運動して女性をいかせて、射精して終わり」という間違った性行為が、人類を動物レベルにとどめているのが分かるでしょう。性行為において激しいピストン運動は、クライマックスの「射精」の時以外には使わないのが本当です。
 「犬や猫の交尾を思い出してください。身体全体を揺らすような激しいピストンや、先っぽから根元まで出し入れするような動きは絶対にしないですよね。 腰だけが、小刻みに動いています」と書かれています。まったくこの通りで、人間よりも「イヌ」の方がレベルは高いです。
 “終わった途端に男性が醒めてしまった”と言うエサに関心を示さなくなった状態を「二日目のイヌ」と呼ぶのですが、これは先に見たようにワンちゃんに失礼な表現なのです。しかし、敢えてこの表現を使わせてもらうと、正しい性行為では「二日目のイヌ」にはならないのです。
 2020年8月28日の記事で、夫婦間の「愛の営み」の4サイクルについて解説をしました。その4つの段階は、「発情(カファ)」→「求愛(ピッタ)」→「最中(太陽のヴァータ)」→「残心(月のヴァータ)」です。
 2020年8月23日の記事では、「ハグ(抱擁)」の重要性を説明し、“「非性的な触れ合いや愛情表現(抱擁)」の重要性を理解し実践する夫が、「二日目のイヌ」から「サル」への進化を果たすのは確実”とコメントしました。
 このように、“セックスをしない夜”は、カファ・ドーシャを優位にする「ハグ(抱擁)」が大切です。
 “セックスの夜”は、まず「ハグ(抱擁)」を最初に行い、「発情(カファ)」のメカニズムを働かせるようにします。次に、「求愛(ピッタ)」の愛撫に切り替えるのですが、4サイクルのどの段階においても互いの性器に触れてはいけません。
 女性が受け入れ態勢になると「最中(挿入)」になりますが、挿入しても激しいピストン運動を避け、“クリトリスが男性側に密着している状態を維持”したような、ゆっくりとした動きが30分以上続くようにします。これは、男性がある程度「射精をコントロール」 できるケースで、挿入時間が30分持たない人の場合は、出来るだけ動かない時間を多くとることになります。
 「ポリネシアンセックス」の記事に書かれていないのは、「最中(挿入)」の段階において、特に男性は、身体の中の「気」の流れを自覚する必要があるという事です。「ゆっくりとした動き」と呼吸が合っていなければなりません。「吐く息」と「吸う息」のどちらかが「主」となり、もう一方が「従」となります。
 2方向の「気」の流れがありますが、「吐く息」が「主」となる場合に、ピンガラー・イダー・スシュムナーの「気」の流れは下降します。「吸う息」が「主」となる場合には、ピンガラー・イダー・スシュムナーの「気」の流れは上昇するのです。センスのいい人なら、上記のヒントで「房中術」を会得することが可能です。
 4サイクルの最後の段階が「残心」です。射精後もペニスを引き抜かずに、くっ付いたままにして休みます。通常は深い眠りに落ちます。自然にペニスがはずれるまで待ちます。
 こうした方法を会得すると、「最中(挿入)」段階において、まったく動かないで抱き合っているだけで、至上の喜びを経験することが出来るようになります。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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性教育の教科書がAVになってしまう日本男性のセックスの貧困さ
セックス=愛の勘違いに気づけるか
村瀬 幸浩元高校教師、性教育研究者
太田 啓子弁護士
引用元)
(前略)
【太田】マイナスの知識、誤った学びとは、例えばどんなことでしょうか。

【村瀬】基本的に、性には3つの側面があります。「生殖」と「快楽・共生」と「支配」です。AV(アダルトビデオ)の表現は、まず「支配」の性ばかりなので、男は「それがセックスなのだ」と誤って学んでしまうんです。性欲と支配欲を、結び付けて理解してしまう。
(中略)
【太田】「支配」の性しか知らないままで、相手に対して支配的になることで相手に快楽を与えていると思い込んでしまう。そして、それに快楽を感じたり、それを愛だと思い込んでいる人もいますよね。
(中略)
それから、「オーガズムをゴールにするのではなく、ただハグをしてスキンシップをするだけでいい」という女性も多いと思います。男性には、そこがなかなか共有されないこともありそうです。
(中略)
【村瀬】AVは、「出会ったらすぐに挿入して、激しくピストン運動して女性をいかせて、射精して終わり」というものが多い。AVでセックスを学んだ男性たちは、それに縛られて苦しむわけです。勃起しないとダメ、挿入しないとダメ、女性をオーガズムに達させなくてはいけないと必死になる男性は多いですよね。
残念ながら、それが「男らしいセックス」で、女性を支配するというシチュエーションが圧倒的に多いので、性に関心を持ち始めた若者が、何もわからないままこうしたAVを手に取って、ゆがんだセックスを「学んで」しまうのは大問題ですね。
(以下略)

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5. 射精は自由自在にコントロール可能
(前略)
男性の中には、激しく動かなければ女性も喜ばないと考えていらっしゃる方も多いと思いますが、これも映像の影響による間違った知識です。
(中略)
女性にとって重要な性感帯を内包している膣は、粘膜で覆われているだけです。
これはあまり知られていませんが、膣には、男性のお珍宝様と同じく海綿体があります。
(中略)
粘膜に覆われただけの、いわば剥き出しのような状態の女性の海綿体は激しく擦られれば、すぐに傷付き、目に見えなくても出血していることも多いのです。
女性がエクスタシーに達する以前に、男性の激しい愛撫やピストンで傷つき、言葉で痛みを訴えることがなくとも、実は、我慢して終わっているかもしれない。
セックスの後にトイレに行くとひりひりすると感じたことのある女性のほうが圧倒的に多いのです。

AV男優として一斉風靡した、あの加藤鷹さんは、 『俺達が作ってきた作品のせいで、男も女も気持ちいいセックスをしていない』 と彼の著書でも書いています。

犬や猫の交尾を思い出してください。
身体全体を揺らすような激しいピストンや、先っぽから根元まで出し入れするような動きは絶対にしないですよね。
腰だけが、小刻みに動いています。
(以下略)
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8. 性の本質を変える:ポリネシアンセックス
(前略)
ポリネシアの島々にはセックスに関する伝統的な教えがあったそうです。
その教えの基本とは、

セックスは5日に一度以上の頻度で行わないこと

・セックスをしない夜は男女が頭と脚を反対にしてお互いの脚をV字型に開き交差させたまま、お互いの性器は密着しているが、挿入はしないで眠ること

・セックスの夜は、たっぷり1時間以上は愛撫しあってお互いの性欲を高めあうこと(ここで言う愛撫とは、乳首や性器に集中した愛撫とは全く違い、互いの全身を味わうようなゆっくりといたわりあうような愛撫でどちらかというとマッサージに近いものです)

挿入したら30分は動かないでじっとしたままでいること(互いが横向きに脚を伸ばして向かい合う側位が最適。正常位や騎乗位では疲れてしまう。)

挿入後30分経過したらゆっくり前後運動を始める(この時、クリトリスが男性側に密着している状態を維持する。ピストンしない。

ポリネシアンセックスは、射精やオルガスムに重点を置いているのではなく、
5日間に渡る欲望の抑制により蓄積したエネルギーを、
密着した男女の間で交流させて(いわゆる気の交流)、
より安定した精神、強固な愛情に至ることを目的としています。

(以下略)

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