新型コロナウイルスへの各国の誤った対応策で、“物流(サプライ・チェーン)の寸断や人の移動の停止”から、食料生産・供給の減少となり、懸念される食料危機

竹下雅敏氏からの情報です。
 今日の編集長の記事で、「種苗法改正案」が、“ついに連休明けの国会で審議入りの見通し”だということでした。「自家増殖の一律禁止というとんでもない改定案」で、“グローバル企業による種の独占を合法化するのが目的”という売国法案です。
 「新型コロナウイルス」への各国の誤った対応策で、“物流(サプライ・チェーン)の寸断や人の移動の停止”から、食料生産・供給の減少となり、食料危機が懸念されています。こうした危機の根本原因は「貿易自由化の進展」にあるのですが、こうした危機の仕掛け人である「FAO・WHO・WTOの事務局長」に言わせると、危機を乗り越えるために「食料貿易を可能な限り自由にすること」が重要なんだそうです。こういうのを「焼け太り」って言うんですよね。
 日本の政治を見ていると良く分かると思いますが、組織のトップが腐っているのは、いつもの事です。ただ、その腐り方が尋常でない事に、多くの人は気づいていません。国際組織が人身売買に深く関与しており、小児性愛者(ペドフィリア)の溜まり場という腐り方なのです。彼らは、多くの人が苦しんで死ぬ姿を見て快感を得る精神異常者なのですが、一般人には、そんな人間が居ることを想像も出来ないのです。
 「種を独占し、それを買わないと生産・消費ができないようにしようとするグローバル種子企業」は、経済的な利益のためだけに、このような事をしているのではありません。彼らは、人類のほとんどを殺し、残った者たちを「奴隷」にするという明確な目的をもって行動しています。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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映画『シード ~生命の糧~』予告編
配信元)
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コロナ禍が炙り出す食の脆弱性と処方箋~ショック・ドクトリンは許されない~ 東京大学教授・鈴木宣弘
転載元)

はじめに

 新型肺炎の世界的蔓延への対処策で、物流(サプライ・チェーン)の寸断や人の移動の停止が行われ、それが食料生産・供給を減少させ、買い急ぎや輸出規制につながり、それらによる一層の価格高騰が起きて食料危機になることが懸念されている。日本の食料自給率は37%、我々の体を動かすエネルギーの63%を海外に依存している。輸入がストップしたら、命の危険にさらされかねない。
(中略)  
すでに、小麦の大輸出国ロシア、ウクライナ、コメの大輸出国ベトナム、インドなどが輸出規制に動き出している。輸出規制は簡単に起こりつつある。これを受けて、4月1日、FAO・WHO・WTOの事務局長が連名で共同声明を出し、輸出規制の抑制を求めた。(中略)… しかも、FAO・WHO・WTOのトップの共同声明では、九州大学の磯田教授が指摘しているとおり、食料貿易を可能な限り自由にすることの重要性も述べている。輸出規制の根本原因は貿易自由化の進展なのに、解決策は自由貿易だというのは狂っている。2008年の食料危機の経験から何も学んでいない、情けない提言である。
(中略)  
ハイチ、エルサルバドル、フィリピンで2008年に何が起こったか。コメの在庫は世界的には十分あったが、不安心理で各国がコメを売ってくれなくなったから、お金を出してもコメが買えなくてハイチなどでは死者が出た。米国に強要されてコメの関税を極端に低くしてしまっていたため、輸入すればいいと思っていたら、こういう事態になった。原因は貿易自由化にある。


正しい処方箋は各国の食料自給率向上


(中略)
我々は、このような一部の利益のために農民、市民、国民が犠牲になる経済社会構造から脱却しなくてはならない。食料の自由貿易は見直し、食料自給率低下に本当に歯止めをかけないといけない瀬戸際に来ていることを、もう一度思い知らされているのが今である。
(中略)  
一連の種子法廃止→農業競争力強化支援法8条4項→種苗法改定を活用して、公共の種をやめてもらい→それをもらい→その権利を強化してもらうという流れで、種を独占し、それを買わないと生産・消費ができないようにしようとするグローバル種子企業が南米などで展開してきたのと同じ思惑が、企業→米国政権→日本政権への指令の形で「上の声」となっている可能性も指摘されている。
(中略)

種や労働力も考慮した自給率議論の必要性

 今回のコロナ・ショックは、自給率向上のための課題の議論にも波紋を投げかけた。日本農業が海外の研修生に支えられている現実、その方々の来日がストップすることが野菜などを中心に農業生産を大きく減少させる危険が今回炙り出された。
(中略)
種子の9割が外国の圃場で生産されていることを考慮すると、自給率80%と思っていた野菜も、種まで遡ると自給率は8%(0.8%×0.1)となってしまう。
(中略)
日本の農家の所得の30%程度が補助金なのに対して、英仏が90%以上、スイスではほぼ100%、日本の水産にいたっては所得に占める補助金は2割に満たない。(中略)… 「所得のほとんどが税金でまかなわれているのが産業といえるか」と思われるかもしれないが、命を守り、環境を守り、地域を守り、国土・国境を守っている産業を国民全体で支えるのは欧米では当たり前なのである。それが当たり前でないのが日本である。
(中略)  

量だけでない、質の安全保障も

(中略)

 農民連の分析センターが調べたら、ほぼすべての食パンから発がん性のある除草剤が検出された。国産、十勝産、有機小麦のパンからは検出されていない。輸入小麦には、日本で禁止されている収穫後農薬の防カビ剤(米国がかけるのは「食品添加物」と日本が分類してあげている)も輸送時に振りかけられている。米国農家は「これは日本人が食べるからいいのだ」と言っていたという。トウモロコシ、大豆の遺伝子組み換えの不安だけではない。日本人は、世界で一番、遺伝子組み換え、除草剤の残留、防カビ剤の残留の不安にさらされている。
(中略)  
国産には、成長ホルモンも、除草剤も、防カビ剤も入っていない。早く国産シフトを進めないと、量的にも、かつ質的にも、食の安全保障が保てない。つまり、「国産は高くて」という人には、安全保障のコストを考えたら「国産こそ安いんだ」ということを認識してもらいたい。
(中略)  
今こそ、安全・安心な国産の食を支え、国民の命を守る生産から消費までの強固なネットワークを確立する機会にしなくてはならない。(中略)…  特に、消費者が単なる消費者でなく、より直接的に生産にも関与するようなネットワークの強化が今こそ求められてきている。世界で最も有機農業が盛んなオーストリアのPenker教授の「生産者と消費者はCSA(産消提携)では同じ意思決定主体ゆえ、分けて考える必要はない」という言葉には重みがある。全国各地域で、行政・協同組合・市民グループ・関連産業などが協力して、住民が一層直接的に地域の食料生産に関与して、生産者と一体的に地域の食を支えるシステムづくりを強化したいところである。

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