[山本太郎議員] 内閣委員会「また竹中平蔵さんに得させるの?~国家戦略特区 農業外国人村解禁について~」 〜グローバリズムは“経済的植民地主義”〜

竹下雅敏氏からの情報です。
 時事ブログでは、これまで何度もグローバリズムを“経済的植民地主義”だと表現してきましたが、以下の山本太郎議員の内閣委員会での発言をご覧になれば、そのことが実感できるのではないでしょうか。
 日本政府は、これまで意図的に日本の農業を破壊してきました。これは農業の担い手をなくし、いずれは農地を外資に支配された大企業に取得させるためです。このまま自民党政権が続くと、そのうち日本中の農地の大半は、企業が所有する形になっているでしょう。そこで働かされているのが外国人労働者であり、未来を諦めた日本の若者だということになりそうです。
 労働条件はほぼ奴隷と同様。人間らしい生活はとても無理だということが、記事の中に出てくる“農業に従事した4人のフィリピン女性実習生”の例でわかると思います。外国人労働者を奴隷だと思っていなければ、とても出来ない待遇です。国連の人種差別撤廃委員会などから、日本が非難され続けるのは当然ではないでしょうか。
 大企業が外国人労働者を受け入れる理由は、人件費の削減です。結果的に日本人の賃金も、外国人労働者の水準に合わせて下がっていくはずです。まさに、これが大企業の狙いだと思います。残業代ゼロ法案を想起すれば、政府がほんの一握りの勝ち組(上級市民)以外は、奴隷だと考えている証だと思います。
 こうした雇用形態にとって重要なのが、竹中平蔵が取締役を務めるパソナなどの大手の人材派遣会社です。
 国家戦略特区の基本方針には、“直接の利害関係を有する議員については…審議及び議決に参加させないことができる”とあります。参加させないと言っているのではなく、“できる”と書かれているので、利害関係者を参加させてもよいわけです。このようにして、竹中平蔵は、せっせと自分が取締役会長を務めているパソナに対して利益誘導を堂々と行っているわけです。
 加計学園も含め、まさしく“国家の私物化”です。テレビ等であべぴょんを擁護している人たちを丸ごと袋に詰めて廃棄すると、日本の再生は容易だという気がします。そのためには政権交代が必要です。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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2016.6.1 内閣委員会「また竹中平蔵さんに得させるの?~国家戦略特区 農業外国人村解禁について~」

(中略) 

○山本太郎君 自由党共同代表の山本太郎です。

国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案について、自由・社民の会派、希望の会を代表し、質問いたします。

(中略) 

農業分野に外国人材が入るとなぜ経済効果が高まるかというのを簡単に教えていただいていいですか、大臣。

○国務大臣(山本幸三君) 先ほどもお答えいたしましたけれども、農業が経済効果を持つようになるのは、農業自体の経営が拡大していくことや生産性の向上、それによって競争力が強化されるということだと思いますし、また、いわゆる六次産業化をすることによって農家の新しい収益の可能性が高まるというように思っているところであります。

(中略) 

○山本太郎君

今回の農業支援外国人材には要件があると、誰でもいいわけじゃないんだということなんですね。一定の知識、技能や日本語での会話能力もあって、日本農業の現場で即戦力として活躍できる熟練作業者、こういう方々に働いていただきたいと。

(中略) 

結局はこれ何がしたいかといったら、戦略特区の農業支援外国人人材の本当の狙いは、技能実習が修了した人たち、技能実習二号修了後の人たちを狙いに定めているんじゃないかなと思うんですよ。仕事も覚えたし、日本語もちょっと上手になってきたしという人たちに対して、そういう農業分野にも人をどんどん広げていこうと。

(中略) 

これ、強い農業につながらないんですよ、はっきり言って。だって、その場しのぎじゃないですか、期間限定の。本当に強い農業、本当に農業を、この国の、本当に強い農業にしていくというお話なんだったら、やることははっきりしているんですよ。これから新規でこの国でずっと生きてきた人たちが、若い人たちが農業に入ってこれるぐらいに国が農業をバックアップしていかなきゃいけないという、やることははっきりしているんですけど、やろうとしていることはそうじゃないという話なんですね。安い労働力の一環としてこの枠を獲得したいという思いが見え隠れすると。

(中略) 

資料の一、外国人技能実習生権利ネットワーク、実習生ネット通信二〇一六年夏号のレポート。農業に従事した四人のフィリピン女性実習生、受入れ協同組合の寮に集団で住み込み、そこから各農家の畑に出勤、仕事が終わると寮に帰宅という日課。

(中略) 

一軒家に十八人もの実習生を詰め込んで生活させていた。間取りは四LDK、部屋四つ、トイレ二つ、お風呂、シャワー一つ。一人十分シャワーを浴びても三時間掛かるんですよね。思い付いたことが全員で一緒に入ろうみたいな。どんな生活させているんですかって。これで一人家賃二万円、五千円の水光熱費、十八人合わせて月四十五万円の家賃、水光熱費だって。周辺の住宅事情を調査してみると、五LDKの一軒家で六万円の家賃だったって。

(中略) 

国連からは、女性差別撤廃委員会から人身売買に関する特別報告者報告、移住者の人権に関する特別報告者報告、人種差別撤廃委員会、自由権規約委員会からは二度指摘された、性的虐待、労働に関係する死亡、強制労働となり得る状況に関する報告、いまだに多く存在することを懸念とともに留意すると言われている。アメリカ国務省人身売買報告書では、人身取引を示す実質的証拠があるにもかかわらず、政府はこの制度における強制労働の被害者をこれまで一人も認知していないと、二〇〇七年から一六年まで毎年指摘されている。受け入れる資格ないんじゃないですかって。

(中略) 

原発の事故現場、除染現場で働く日本人の下請労働者でさえピンはねされまくっても大きな問題にもならないんですよ。改善もされましたか。そんな国なんですよ、今のところ。そういう政治なんですよ。外国人労働者が日本人と同等又はそれ以上の賃金をちゃんと受けているかなど確認できるはずないじゃないですか。

日本人のこういう労働環境がある上で、そこで新たに労働者が入ってきたとしたら、
それは先々どうなるかといったら、低い方に賃金合わせていくということになりますよ。これ、日本人と仕事を奪い合うような状況にさす気ですかって。

(中略) 

○国務大臣(山本幸三君) まさに今回の農業支援外国人受入れ事業は、御指摘のあったような技能実習生について起こったいろいろな問題を反省した上で、そういうことは一切起こらないような形でやらなければいけないと思っております。

(中略) 

○山本太郎君 

(中略) 

今回の外国人労働者について、特定機関が雇用契約に基づいて農業外国人材を受け入れ、特定機関との契約に基づいて外国人が派遣先に派遣される仕組みですが、(中略)…この特定機関、人材派遣会社大手のパソナ、参入できますか、それとも排除されますか、いかがでしょう、大臣に。



○国務大臣(山本幸三君) 派遣事業者として認定を受けていれば、できることになると思います。



○山本太郎君 これ、ひどい話じゃないかなと私は思うんですよ。

農業分野では特区に指定された兵庫県養父市では、竹中氏が社外取締役を務めるオリックスの子会社オリックス農業が参入。昨年七月、神奈川県の特区で規制緩和された家事をサポートする外国人労働者の受入れに関して、人材派遣会社パソナが事業者認定、このパソナの取締役会長を務めるのはもちろん竹中平蔵様。審査する側に立つ者が真っ先に仕事を受注しているってどういうことですかって。

資料の二の三、基本方針の運営に係る基本的な事項、赤ライン箇所、急ぎめで内閣府読んでください。



○政府参考人(川上尚貴君) お答え申し上げます。

資料二の三でございますね。

運営に係る基本的な事項。諮問会議の運営に当たっては、調査審議の公平性・中立性を確保することが極めて重要である。このため、諮問会議に付議される調査審議事項について直接の利害関係を有する議員については、当該事項の審議及び議決に参加させないことができる。



○山本太郎君 これ、ずるいですね、書き方がね。できることとするだから、しなくてもいいというルールをもうはなから設けているわけですよ。ぱっと見た目、ああそうか、これでそういうのを排除しているのかと見せかけておきながら、でも結局は、できることとするだから、しなくていいんですよね。だから決めているんでしょう、竹中さんとか。いろんなそういう利害関係者に仕事を配っているような話じゃないですか、これ。そういうのありなんですかって。国家の私物化じゃないですか。そういうことが起こらないように基本指針、基本方針、こういうものを定めたんじゃないんですか。なのに、それさえも守らない。あり得なくないですか、これ。余りにもおかしい。

(以下略) 

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