ワインの造り手達も絶賛!トリンケーロのA-iuto(アユート)とA-Yuzuki(アユズキ) 〜誠実な作り手を応援することは、そのまま地球環境の保全に〜

竹下雅敏氏からの情報です。
 ヴィナイオータはワインの輸入会社。太田久人社長の文章から、ヴィナイオータという会社は、単なるワインの輸入会社ではないとわかります。
 ここが扱っているワインは、どれもこれも美味しいのですが、特に、下の記事で紹介されているトリンケーロのワインは、“他の作り手の追随を許さないくらいのクオリティーとテンションを備えています”。この表現は大袈裟ではなく、実際に記事で紹介されているA-iuto(アユート)、A-Yuzuki(アユズキ)を飲むと、その通りだとわかります。3,000円前後のワインですが、本来なら倍以上の値段が付くワインではないかと思います。
 記事の中で、このA-Yuzukiについて、“すべてがリッチですし、欠点のかけらも見当たらないワインです”とあります。またA-iutoの方は、ワインの造り手達の一人が、“無茶苦茶上手いよな!”と言っています。
 下の写真の男性が、このワインを造っているエツィオ・トリンケーロ氏です。写真の女の子は、太田社長の娘さんのユズキちゃんでしょうか。記事後半では、ものすごく美味しいワインを、事情があってテーブルワインとして出さなければならない理由が書かれています。文末に、“本当に誠実な作り手にとっては生きづらい世の中になっているのを感じます”とあります。こうした誠実な作り手を応援することは、そのまま地球環境の保全につながります。
 私たちは、少し高くても本物を選ぶべきだし、行政は本物の作り手に税の優遇をすべきだと思います。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

――――――――――――――――――――――――
いままで-ヴィナイオータ的決意表明その1
転載元)
なんだかんだで創業して丸14年、ベテランとは言わないまでも中堅くらい(売り上げではなく、会社としての存続年数的に…です!)にはなったかもしれないヴィナイオータ。(中略)…

いまや大御所とでも呼ぶべき存在の造り手達に可愛がられ、(彼らが)他の造り手にも良く話してくれているからか、サロンで知り合う造り手の中には、初対面であるにもかかわらず、“ああ、お前が噂のイザート(イタリア人の発音ではヒサトがこうなります…)か!”とか、エツィオ チェッルーティに至っては、“おお、お前がユートの親父か!あのアユート!(白05、トリンケーロの)って無茶苦茶美味いよな!”といった感じで、まったく自己紹介の必要なく会話が始められるようになってきちゃってたりして…。

必ず毎年2回ワイナリーを訪問しワインを一通り試飲していくというルーティンを10年以上続けていて(そんなやつ他に1人もいないと皆言います)、インポーターとしてと言うよりいち飲み手として彼らのワインを、そして彼らを愛してやまず、(中略)…僕のこの愛情を理解している彼らは、仮に商売上の関係がなくなったとしてもいつまでも友達だと言ってくれ(中略)…いつでもウェルカムモードで迎えてくれます。(中略)…

ワインの造り手(全ての造り手が、というわけではありませんが…)はアーティスト、アーティストとは表現者であり創造者。一方僕たちインポーターは、無から何かを生み出すわけではなく、他人の造った作品を数ある中から選び、購入し、輸送し、売るというのが主だった仕事なわけで、(中略)…アーティストの中でも、偉大と呼ぶべき人の作品であれば、作品自体に飲み手に雄弁に語りかけてくるだけの力があるから、我々インポーターが多くを語る必要がない…。こんなことを、以前は強く信じていたのだと思います。(中略)…

ワインの醍醐味に熟成の過程を追うというのがあり、取っておくことも大切だと思うのですが、特にヴィナイオータが扱うようなワインは、より純粋な”飲み物”であるべきな気がするのです。今でこそ嗜好品などと呼ばれるようになったワインですが、もともとはパンとワイン、つまり食品のひとつだったわけです。自然に対して最大限の敬意を払い、畑でもセラーでも過剰な関与を避けようというコンセプトのもとに生まれたワインは、圧倒的な個性や複雑さを内包しつつも素晴らしい飲み心地を備えています。(中略)…

自由なワインの楽しみ、喜びをまだまだお伝えできていなかったということ、つまり今まで大した仕事をやってこれていなかったことを本当に痛感してしまったオータなのでした。で、今の僕が思うインポーターの仕事とは、選ぶ→買う→運ぶ→売る で完結するのでなく、選ぶ→買う→運ぶ→熱をもって伝える→売る→飲まれる→喜ばれる→再び飲まれる→再び喜ばれるという無限ループを実現に対して、積極的に関わっていくことなのだと思うに至ったのです。

(以下略)

————————————————————————
Trinchero / トリンケーロ
転載元)
(中略) 

Trinchero_003_01 

(中略) 

トリンケーロは、アスティ県で一番最初にDOCワインの自家元詰めを行うための登記をした造り手で、エツィオが3代目に当たります。当初から、自然環境の最大限の配慮を払った農業を心がけ、セラーでも人為的関与を極力避けたワイン造りを理想としてきました。彼がワイナリーの仕事をすべて任された時点では40haもの畑を所有していたそうなのですが、品質の高いワインを造るのには広すぎる!!ということで、もっとも条件の良い畑10haほどを残して、他は全て売却ないし賃貸してしまいます。

Trinchero_002_02 

(中略)…エツィオは一切の肥料を撒かず、ボルドー液以外の化学的な薬剤に頼らない農業を行っています。

10種類のブドウを栽培、どれもが他の追随を許さないクオリティ 

(中略)…リリースされる全てのワインが、他の造り手の追随を許さないくらいのクオリティとテンションを備えています。その高いレベルの“トリンケーロ スタンダード”は、どのようにして維持されているかというと、答えは簡単。納得できないものはボトリングしないのです!!

揮発酸が高くなりすぎたものはお酢屋さんに、揮発酸は高くないけどワインとして少しでも腑に落ちないことがあったらバルク売りをしてしまうそうで、僕が訪問した翌日にお酢屋さんが来ることになっていて、8000リットル(!!!)渡すと言ってた時には、目が点になりました…。(中略)… 

A-iuto(2005)、A-Yuzuki(2009)について
Exif_JPEG_PICTURE 


多雨に見舞われた2005年はトリンケーロにとっても難しかったヴィンテージで、(中略)…もともと少量生産の白ワイン3種類も生産量が半減し、(中略)…エツィオ トリンケーロは、白3種類全てをブレンドすることにしました。(中略)… 

僕が常々、サッサイアの価格帯でサッサイアと比肩できる白を探していた事を知ったエツィオ(彼もサッサイアを愛する1人なので僕の気持ちが分かってくれたのでしょう)が、従来の彼の白(シャルドネ、マルヴァジーア)に比べ安価でこのワインを提案してくれ、わが愛息の生まれ年の2005だったということもあり、(中略)…全量を買うという条件で名前まで付けさせてもらうことにしました。(中略)…不思議なワインです。見せる表情が本当に豊か。温度は高めの方が好みかな。渋いし苦いしと、強い要素があるのにもかかわらず、恐ろしい飲み心地。(中略)… 

2014年春トリンケーロを訪ねた際、(中略)…いいワインがあるんだよ。ヒサト、そういえばお前の娘って2009年生まれだったよね?」と言いながら向かった先にあった樽には、VinoRosso(ヴィーノ ロッソ)とだけ書いてある…。(中略)…という事は、VdT(ヴィーノ ダ ターヴォラ)、つまりテーブルワインで、ラベルへのヴィンテージ表記も許されないワインという事で…。「で、このワインて中身なんなの?」と僕が聞くと、「ああ、ヴィーニャ デル ノーチェ(以下VDN)の09」と平然と答えるエツィオ。当たり前ですが、滅茶苦茶美味しいぃぃぃっ!!これがなぜヴィーノ ロッソ?なぜ普通にVDN(DOCGワインとして)として売らないの?? (中略)… 

「09といえば、もう1つすげえいいワインがあるんだよ(中略)…VDNが1樽、VDNとパルメが半々のが1樽、パルメ単一の樽が2樽あるんだけど、どうよ?」とエツィオ。

「え、それって合計4樽で1樽5000リットルだから…約3万本??????ひええええ。でも、娘のヴィンテージだし、1樽分ずつ引き取っていいのなら行く!!!」と僕。味わいを一定にするために4つの樽のワインをブレンドし、ボトリングしてもらったものが2009年の(中略)…a-yuzuki!09(ア ユヅキ)となります。(中略)…ヴィンテージ05に比べると09は全てがリッチですし、欠点のかけらも見当たらないワインです。

原産地呼称(DOC、DOCG)について 

そんな凄いワインをなぜテーブルワインとしたのか?それは、いわれのない理由でDOC、DOCGの官能検査を落とされるから。(色の濃さ、アルコール度数、SO2の少なさ…) (中略)… 

近年、書かなきゃいけない書類の量がハンパなくなってきているようで、基本すべて自分でやらなければいけない小規模ワイナリーにとっては非常に負担となっています。(中略)…DOCGの認証をもらったら半年以内にボトリングしなければならないというルールができてしまったので、(中略)…諸々のルール改正もさらなる投資を強要するようなものでと、踏んだり蹴ったりなんです。(中略)…本当に誠実な造り手にとっては生きづらい世の中になって行っているのを感じます。そんな彼らを将来的に助ける術があるとすれば、誠実な造り手が醸す誠実なワインが圧倒的に支持されているという、お上(政府、原産地呼称委員会など)からしてみたら無視できない状況、ムーヴメントを生み出すことが必要なのではないでしょうか??

(以下略) 

Comments are closed.